Anycaでヒョンデのアイオニック5を借りてみた
今、個人カーシェアのアプリ、Anycaでヒョンデのアイオニック5がレンタルできます。
良い機会なので借りて乗ってみました。
今回借りたのは秋葉原のUDXの地下駐車場に配備されたアイオニック5なります。
BEVなので、このように専用の駐車場に専用の充電器が設置されています。
他のカーシェアと同様に、リアガラスのここに免許証をかざすと解錠するタイプでした。
ヒョンデは昔はヒュンダイという名前で国内展開もしていた韓国のブランドで、過去に一度撤退したブランドです。今回は以前と異なり、BEVとFCV専売で日本に再上陸したようです。ディーラーも持たずにネット通販と少数のサービス拠点を構えて展開するようです。
グレードはLounge。2WDの最上位モデルです。後輪駆動になります。
写真でのパッと見はサイズはゴルフクラスに思いますが、実際は結構大きめ。4,635 x 1,890 x 1,645mmなので全長はともかく、横幅はまあまああります。
ホイールベースも実は3000mmあるので小回りはかなり効かないです。最小回転半径は6mとかなり大きい。
最低地上高は160mmと中途半端ですが、ジャンルはSUVになります。
約72kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、カタログ上の航続距離は618kmになります。航続距離としては十分なスペックですね。
外観デザインで特徴的なのはやはり灯火類。
四角で前後とも統一されており、特にピクセル状のテールライトは眼を引きます。
個人的にはこのテールライトが斬新で結構気に入っています。
ホイールは黒を基調とし、空気抵抗を意識したフラットなデザインながら、シルバーのワンポイントと表面形状の工夫により立体感があります。
サイズは235/55 R19で、銘柄はミシュランのプライマシー4 です。19インチですが、かなりエアボリュームはあります。
フロントには小物入れも搭載されています。充電ケーブルや洗車道具などを入れるのに便利そうです。
この辺はフロントにエンジンを搭載しないBEVならではの収納ですね。
室内は明るい色使いでシンプルな印象。ディスプレイも多く、先進的な印象もありました。
メインディスプレイはフル液晶ですね。
視認性は良いです。運転中でも違和感なく使えました。
小回りが効かない原因のロングホイールベースですが、そのおかげで後部座席のスペースも十分。結構広いと思います。
エアコンは物理キーも備えており、操作性はまずまず。
全体的に質感はかなり良いです。
少なくとも一昔の韓国車と比べるとかなり進化してるのは間違いないと思います。
広大なサンルーフがついていました。運転中は存在を意識することはあまりないので、後部座席用ですね。
ドライブシフトはレバータイプです。と思いきや、つまみを捻って選択するタイプ。メルセデスのようなレバータイプかと思って押したり引いたりしてました。
慣れれば操作性は悪くないと思います。
一通り内外装をチェックして楽しんだ後は試乗です。
今回は都内を一時間ほど走り回ってきました。
普段乗ってる車種が車種なので、感想は普通の人とズレてるかもしれませんが、ご容赦ください。
まず運転を始めて思ったのが「デカイ!」ということ。見た目がコンパクトなこともあり、小回りが思った以上に効かないので狭い地下駐車場は少し戸惑います。とは言え、この辺は慣れなので購入を検討している人には大した問題にはならないと思います。
慣れてしまえば、普段の走行ではそれほど運転しにくいとも思いませんでした。
ただしバックする時の後方の感覚は意外に掴みづらく、小回りが効かないこともあり苦労はするかもしれません。
最高出力は217psとあまり高くはないですが、それでもかなり俊敏に走ります。
モード切替でスポーツモードにすれば2t近い車重をものともせず加速する力はさすがBEVという感じ。日常速度域ではかなり速い部類なので動力性能は必要十分です。馬力を考えると最高速度も200km/hくらいは出ると思うので、この加速力があれば国内で乗るには十分だと思います。
ハンドリングもしっかりしていて、スポーティです。SUVという感じはあまりしなかったですね。バッテリーを床下に敷き詰めて重心が低いためか、重心の高さを感じることもなかったです。
スポーティとは書きましたが、車重の重さは当然消えてないです。曲がらないし止まらない(日常走行に支障がないレベルでは曲がるし止まります)。スポーツカーに匹敵するのは加速力だけで、あくまでスポーティな雰囲気のSUVですね。運転してて楽しいクルマではないです。
ウィンカーを出すとドアミラーのカメラが作動してディスプレイに映像を映し出すのですが、死角を減らすことができ、とても素晴らしい装備だと思いました。映像も確認しやすく、雨でも問題なく使えました。
乗り心地は悪くないですが、特筆して良いわけでもないです。タイヤの扁平率の割にはゴツゴツしていて、路面への追従性もそこまで良くはない感じ。SUVであれば、個人的にはもう少ししなやかでしっとり感が欲しいところでした。一世代前の車の乗り心地という印象です。最新のカローラやシビック辺りの方が足は良い動きをしていると思います。
いくつか気になったところはありましたが、全般的には非常に良くできた車だと思います。少なくとも日本にある過去のヒュンダイのイメージを打ち破るには十分良い出来栄えだと思いますし、価格も中身や装備を考えると他社BEVより割安だと思います。
一方で細かな乗り心地やハンドリングは、決して悪くはないですが、今一歩煮詰めが甘い気もします。車重が重くて少なくとも運転してて楽しいクルマではないのもありますが、もう少し改善余地もありそうに思います。
その辺はリーフやホンダeの方がかなり好印象でした。まあ、1.5tくらいが運転してて楽しいと思える車重の上限なのかもしれないですね。
個人的には運転してみて主に走りの面から「これは素晴らしい!欲しい!」とはならなかったのですが、走りや乗り心地を気にしないで、とりあえず大型のBEVが欲しい!って人には安くて質感も良くて、良い選択肢なんじゃないでしょうか。
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